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第三章

黄金の産業革命
~CORE GEARS~

関東を抜けた一行の視界が、突如として黄金色に染まる。
そこは、職人の技と成金趣味が融合した、きらびやかな産業地帯だった。

「ええか! トイレは心の鏡だがや! もっと盛らんと!」

愛知の『金ピカ名古屋嬢デコ花子』が、凄まじい速度で配管にラインストーンを貼り付けていく。
その横では、石川の『金沢箔打ちの花子』が、息を止めて薄い金箔を敵味方問わず貼り付けていた。
気づけば、青森のねぶたも、秋田のナマハゲも、ピカピカにコーティングされている。

「……いいお茶、淹れてく?」
「今年カニ、どうだった?」

静岡の『富士見茶畑の花子』と福井の『越前がにの誘惑花子』が、
マイペースに接待を始める一方で、
岐阜の『長良川鵜飼の花子』は、人魂のような鵜を操り、川底から何かを探し続けている。

長野の『信州蕎麦打ちの花子』が麺棒を振り回し、
新潟の『越後酒蔵の花子』が日本酒の香りで酩酊攻撃を仕掛け、
富山の『湾岸のホタルイカ花子』が怪しく青光りする。

そして、その背後には……山梨の『樹海の花子』が、ゆらりと立っていた。

『我ら中部・北陸連合(CORE GEARS)。日本の心臓部は渡さない』

職人技と物理攻撃、そして圧倒的な経済力。
一筋縄ではいかない黄金の軍勢が、行く手を阻む。

その時、関西の方角から、お囃子と漫才のような掛け合いが聞こえてきた。