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第六章

南国の熱暴走
~VOLCANIC BEAT~

神話の地を抜けたその瞬間、肌を焼くような熱風が吹き荒れた。
視界を遮るほどの湯気と、火山灰。
そこは、エネルギーが飽和し暴走する「火の国」だった。

「おいさ! おいさ! 気合が入っとらんー!」

福岡の『多祇園山笠の祭女花子』が、ミニチュアの山笠を担いでスクワットを強要してくる。
断れば脱落、やり遂げれば無駄にスタミナがつく体育会系地獄だ。

「チェストー! 灰まみれになれー!」
「燃え尽きろー!」

鹿児島の『桜島の火山灰被り花子』が灰を撒き散らし、
熊本の『火の国・阿蘇の花子』がマグマのように発光しながら熱風を浴びせる。
大分の『湯けむり地獄巡りの花子』に至っては、「いいお湯だったよ」と笑顔で背中に熱湯を流し込んできた。

「武士道に反する……(ゴロゴロ)」

佐賀の『鍋島藩の化け猫花子』は、威厳を保とうとするもマタタビの誘惑に負けて喉を鳴らし、
長崎の『出島の舶来品マニア花子』は、戦いそっちのけで東北勢のスマホに目を輝かせている。
「それ舶来品? どこで売ってるの?」

あまりの熱気とマイペースさに全員が倒れかけた時、
底抜けに明るい声が響いた。

『めんそーれ! あそぼ!』

沖縄の『美ら海のバカンス花子』だ。
三線をかき鳴らし、宮崎の『日向の国の花子』と共に太陽のような笑顔を振りまく。
その瞬間、戦いの空気は「バカンス」へと強制変換された。

『これにて、全国四十七名……集結完了!』

北の冷気から南の熱風まで。
すべての怪異が出揃った今、真のサミットが幕を開ける。